「少子化の原因=女性の社会進出」とはこれ如何に?

昨今、日本が抱える大きな課題の1つとして「出生率低下」すなわち「少子化」があげられます。「一人の女性が、その一生の間に産む子どもの人数」を示す「合計特殊出生率」をあげますと、日本は2015年度の合計特殊出生率が1・46でした。低いように思われますが、1994年の1.50以来の高水準になるのです。1.50。この数字は、このままいくと、将来的に日本の人口が減少することを意味しています。2015年、最も出生率が高かったのは30代前半で、さらに第2次ベビーブームに産まれたいわゆる「団塊ジュニア」世代にあたる40代前半の出生数が6%伸びて、5万2千人に達しています。

そこで、です。初産の時の女性の平均年齢が30歳を超えている事などから、いわゆる「少子化」の原因として、「女性の社会進出」が挙げられることがよくあります。女性の社会進出に伴い、結婚・出産時期が遅れることが原因だとする考え方です。だから女性は家に入れ、というような論調の方もいます。しかし、本当にそうなのでしょうか。はてさてこれ如何に・・・?と思ったのです。

先進国の国際比較データ・・・例えば、ここ最近の北欧諸国をはじめ、女性の社会進出が進んでいる国ほど、出生率も高くなっている傾向がみられるのです。「合計特殊出生率」と「女性の労働力率」がゆるやかな比例関係になっています。どちらか一方を選ばねば成立しない、つまり「仕事と育児の両立が難しい社会」であれば、選択が迫られるために、女性の労働力率もしくは出生率いずれかが必ず低くなります。継続可能な「仕事と家庭の両立」が成立するのであれば、一人の女性が両方を選ぶ事ができるので、労働力率も出生率もある水準以上は確保出来るのです。

それには、雇用問題の課題に取り組む事と「女性の社会参加」ならぬ「男性の家事・育児参加」が求められるかと思います。新聞等でもたびたび報道されていますが、家事・育児時間は日本人男性で1日平均約30分。かなり短いのではないでしょうか。ワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭・地域などの活動に対してそれぞれが希望するバランスで時間を使える状態)の推進がとても大切なように思います。「女性だから家事が出来る」のではないのです。いずれも「訓練・習熟」なのです。そして、あわせて社会の意識が、まだまだ「男性=仕事、女性=家庭」というのも課題かと思われます。正規雇用の割合が少なくなっていたり、離婚率が高くなっていたりと昭和の昔の「男は仕事、女は家庭」というモデルは、現在では成立しないのです。男性も女性もそれぞれが家庭の中で出来る事を話し合い、育児・家事労働をシェアする、そして地域社会も「女性が子育ての主役である」から一歩抜け出して「子どもは、家族全体、そして地域社会が育てるもの」という意識に変化することが求められるのではなかろうか・・・と思います。

参考ページ:

国立社会保障・人口問題研究所統計資料
内閣府・選択する未来 -人口推計から見えてくる未来像-