安武信吾さん講演会開催しました。

過日、西日本新聞社・編集委員の安武信吾さんを講師にお招きし、「あなたは子どもに何を遺せますか?」をテーマにお話いただきました。妻・千恵さんの癌発病を契機に安武家の皆さんに起こった様々な出来事、そして千恵さん亡き後も、安武さんと愛娘のはなさんを支えられた皆さんとの出会い、食にまつわるエピソード・・・あっと言う間のひとときでした。

若くして癌になり、まだ小さなお子さんを遺していかなければならなかった妻・千恵さん。千恵さんが、愛娘・はなさんに自らがいなくなった後も伝え、遺したかった事、一時は精神的にかなり落ち込まれた安武さんが復活したきっかけ、はなさんの一途な頑張り、安武さんが尊敬する「お弁当の日」提唱者である竹下先生のエピソード・・・定員150名という小さなホールだったこともあるかもしれませんが、まるで自分に向かって語りかけていただいているようで、心に響いたという感想をいただきました。私も、本当に色々な事を考えてしまいました。

お話いただいたいくつものエピソードの中で、「私たち大人世代に対して宿題が出されたな」と思ったエピソードを1つご紹介します。「弁当の日」にまつわるエピソードで、とある家庭では息子の弁当を代わりに母親が作っていたというところからお話は始まりました。「お弁当を作る時間があるのなら、あなたは勉強しなさい。お母さんが作ってあげる。」なわけです。

けれど、ある時から、息子自ら「お弁当作りたい、やりたい!」と言い続け、母親が根負けして、息子が作りました。おかずは焦げだらけ。しかし、息子は誇らしげにその焦げだらけの弁当を学校へ持って行ったというものでした。

自分で作ったお弁当は誇らしく思うし、それが美味しければ次への自信になる。私たち親世代は、ついつい「転ばぬ先の杖」とばかりに1から10までまるっと準備してしまいますが、子どもが真に成長するには、男女関わらず、大人が何事も先回りして、子どもから可能性を奪わないということが大切なのだと感じる事ができました。これは「女だから料理」「嫁が作るのが当たり前」と、一部の方が男女の性差に対し持っている先入観にも通じるところがあるかもしれません。

今回はご縁をいただいて「子どもへ遺せるもの」・「食」という切り口でお話いただきました。「自らの体を作るものは、自らが選びとって口にしたもの」だと思います。そこに性差はないはず。私たちも「食」について、柔軟に好奇心を持ってこれからも取り組んでいけたらと思います。安武さん、本当にありがとうございました。