好きなこと・気になることに真っ直ぐに。

2017年度主催講座、「あなたの『好き』を見つけよう講座」が始まっています。

「好き!」と思える事を仕事にした女性たちへ、「仕事と暮し」についてインタビューをするシリーズです。昨年は「食」に関わる事を仕事にした方々、そして今年は「手仕事」や「教える」を仕事にした方々に登場していただいています。

シリーズ2回目、お話をうかがったのは、吉井町冨永で器や暮しまわりの商品を扱う「テカラ」の川口美香さん。「モノ作りが好きで、いろんな方の生み出すモノが素敵だなぁって思って、雑貨店を始めました」と語る川口さんは八女市出身。柳川市出身の竜也さんと結婚し、のちに吉井町に昭和レトロな一戸建てを購入、主に自分たちの手で約10カ月掛けてリノベーション。「テカラ」をオープンしました。今年で8年になります。

テカラの白をベースにした店内には、ご自身が日々の暮しの中で使い込み、「これっ!」と選んた商品が丁寧に並べられています。「テイストがバラバラで、本当はもっときちんと揃っている方が良いとは思うんですけれど・・・」とおっしゃっていましたが、川口さんのお眼鏡にかなったものが並んでいるので、どこか似た雰囲気をまとっていて、心地好い空間です。

「それまで雑貨店に勤めたことも無い中でお店を始めて・・・今だったら、絶対に勤めてからがお勧めです(笑)。買取と委託とかも作家さんごとの条件にはなるのですが、お支払いについては、とにかく現金で払うようにしてます。資金が手元にある時にお支払いしておかないとって。今でも、殆どその形でお付き合いをさせていただいています。」

全くの「0」からお店を始めてお取引先を開拓し、多くのお客様ともつながってきた川口さんですが、「吉井町に移住してくるまでに就いていた仕事で身につけた事が役立っている。」とも。

「例えば、学校を出て最初に勤めたところでは生産管理をしていたので、在庫管理を今スムーズに出来るのはそのおかげだし、転職したところでは経理も担当していたので、お店の会計まわりを出来ているのはそのおかげ。無駄だったなぁっていうのは無いですよ。」とおっしゃいました。何事もどう捉えるか、ですね。

さて、川口さんはそんなお店の一角に、金継ぎの作業スペースを作っていらっしゃいます。雑貨店店主の他に金継教室講師としての顔もお持ちです。金継ぎをお仕事として受ける事もあるそうです。

「自分が大切にしてきたお茶碗が欠けてしまったことがきっかけで、金継ぎを習い始めました。1つの事に集中出来て本当に楽しいなって。でも自分の器で欠けているものだと、すぐに継ぎが終わってしまったんです。もっと出来るようになりたい・・・と、友人やお客様のお手持ちのものを、『練習用』にお預かりしたことが、他の方の分も扱うようになったきっかけです。」興味がぐぐぐ~っと動いた瞬間だったのですね。

「金継ぎのお客様とあれこれ相談しながら器をなおしていく作業は、とても楽しいです。今は何カ所かで教えさせていただいているんですが、これもまた楽しくて。何かを教えるという事が今まで無かったので、あぁ、こういう仕事もあったんだ!と。今は、金継ぎという文化の無い、海外の方にもお伝えできたらなぁ~と思っています。」

「器も暮しの道具たちも好きだし、それを皆さんにお伝えすることも好きだけれど、今は金継ぎの事に時間を割く事が多いです。店休日が増えているのはその関係です。教室のある日はどうしても休みますから。『モノを売る』というのはモノとお金を循環させる事だけれど、金継ぎはまた違ってモノを大切にするという技術。その両方があっていいかなと思います。金継ぎする器も、別に高級である必要は無いと思います。器をお持ちになった方が大切に扱ってきたのって、きっといろんな思い出だと思うんです。『思い出の品』を継ぐことが私には心地良いです。」

「私のことなんかでいいんですか??」とおっしゃってましたが・・・いいんです、いいんです。お仕事を緩やかにシフトしていっている川口さんの実話がうかがいたかったのです。その時々の「好きな事」に素直に取り組んでこられた川口さんの生き方、皆さんはどうお感じになりましたか?好きな事が増えた、だったら仕事の仕方や配分を変えて、「複業」という形にする。これもまた1つの「自分らしい働き方=暮らし方」ではないでしょうか。

ゆるやかに、好きな事を・・・「うきはに暮らす、私たちなりの働き方」を改めて考えるきっかけになりました。川口さん、ありがとうございました。