「ペコロスの母」岡野雄一さん~認知症の母に教わったこと~

過日の男女共同参画講演会は、認知症の母・みつえさんとの日々をほのぼのとしたタッチで描き、映画にもなった漫画「ペコロスの母に会いに行く」(出版:西日本新聞社)の作者・岡野雄一さんにお出でいただきました。何枚かの写真が映される中、岡野さんの温かい声で、みつえさんとの日々が語られていきました。

みつえさんに出来ないことが増えてきた頃のお話です。岡野さんが入浴させるために脱がそうとしたら「こんスケベが!何する!」と一喝された思い出や、町の入口に裸足で座り込んでいた母が、追いかけていたのは既に亡くなっていた夫だった(つまり岡野さんの父)・・・というエピソードなど、認知症のご家族のいる方にとっては「あるある」(なのだそうです)な思い出を教えていただきました。そして息子として最期に向かっていく母と共に過ごした日々から岡野さんが得た経験を、ほんの少し、私たちも追体験させていただいたように思います。

「生きてればどんげんでんなる」

「介護で別の角度から人生を経験、体験する」

「しがんからひがんへ渡る、母がくれた豊潤な時間」

「プチ親不孝することが親孝行。100%じゃなく、人の助けを借りて良い。」

「出ていきたかった町が、心に馴染む町になっていた」

「寄る年波は生きている証。時間の只中にいるのだから」

素敵な言葉の数々をうかがうことが出来ました。ほのぼのとしたタッチで「母の認知症と息子による介護」について理解が広がった作品ですが、根底にあるのは岡野さんが母・みつえさんを想う気持ちです。そして、それを支えた周囲の皆さんと岡野さんが培っていた人間関係です。うきは市も「心に馴染む町」になれるかな、私たち住民同士がゆるやかにお節介、お世話していけるかな・・・と考えるきっかけをいただいたようにも思います。

岡野さんは、これからもみつえさんとの想い出を描くことで「生きてればどげんでんなる!」というメッセージを発信し続けて下さる事と思います。岡野さん、そして今回の講演会にご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。

 

*7月に「ペコロスの母に会いに行く」映画上映会があります。7/4(水)18:30開場・19:00開始です。みつえさんの女性としての一生も描かれています。是非、ご一緒に。