『好き』を生業に育てるということは~女性の起業について~

ここ数年、シリーズで開催している「好きなことを、我が仕事にした先輩女性陣へのインタビュー」をH30年度も開催、過日、一連のシリーズが終了しました。今期、ご登場いただいたのはそれぞれデザイン・教育支援・飲食の分野で頑張る「kawasemi design」河野さん・「ことばの教室 ことりんく」吉岡さん・「こみせ」笹部さんの3名の女性たち。ご登場いただいた順に、少しずつエピソードをご紹介しましょう。

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1回目にの河野真希子さんは、もともと関西出身。総務省の地域起こし協力隊制度を活用してうきはに移住、協力隊員としてうきは市の広報物などの制作に携わり、任期3カ年を終了後、kawasemi designとして独立開業されました。河野さんが作られた制作物は市内外で配布されていますので、目にされた方も多いかと思います。

「一次産業×デザイン=風景」をモットーに、全国津々浦々のローカルでのデザイン活動を展開している高知在住のデザイナー・梅原真さんに大きく影響を受けたという河野さん。地域のかくれた魅力をデザインの力で可視化する仕事に魅力を感じ、「自分もローカルでやってみよう!」と協力隊へ応募、はじめは、事前知識もほぼ無いままうきは市へ移住してきたそうです。任期中に作った制作物には、「ローカルだけど美味しい・楽しい・ワクワクする街うきは」という河野さんの想いがつまっています。

「住み始めたらこの街がとても好きになって、自分が出来る形で関わっていこうと思えました。」と、協力隊任期終了後もうきは市へ関わり続ける事を決意、吉井町の街中に、住居兼事務所を構えました。「うきはに恩返ししたい」・・・受講生の方とのやりとりの中で、移住してからこの町で人とつながり、居場所を作ってきた河野さんの覚悟のようなものがうかがえました。

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2回目は吉岡麻衣さん。「ことばの教室・ことりんく」を開業された言語聴覚士です。個性のために学校生活や集団の中でつまづきのある方々が、社会に参加出来るそれぞれのスタイルと出会うためのサポートに取り組んでいます。

実は、市内有数の人気ショップである「ぱんのもっか」オーナーとはご夫婦で、夫である吉岡亮次さんは”高知県出身”、麻衣さんは”北九州出身”。麻衣さん側の遠縁がうきはに住んでいたことがきっかけで、この町へ移住しました。まわりに誰も知り合いがいない場所で、言語聴覚士としての仕事、子育て、更にお店のサポートをやりくりされてきました。途中、病気でお休みされたこともありましたが、一念発起、「学生の頃から夢だった!やりたいことをやろう!」と、「ぱんのもっか」の横に「ことりんく」をオープンしました。

「今は、自分に出来ること、やりたいことを大事にしています。自分に正直に。子どもにも伝えています。」と語った吉岡さん。子育て期の受講生の方々には、特に胸にぎゅ~っと来るところがあったようです。

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3回目は、吉井町屋部にあるシェアカフェ・コトコト舎をこの夏に卒業し、ベーグルを出す自宅ショップ「こみせ」を筑前町でオープンした笹部沙織さん。朗らかでほんわかしている笹部さんですが、お話が進むにつれ、その行動力に受講生の皆さんが驚いていました。

ファーストフード店でパートとして働きながら「2児の母」として家庭をまわしていた笹部さん。けれど、「ベーグルが好き!これを仕事にしたい!」という気持ちを諦めきれずにシェアメンバーを募集していたコトコト舎へ応募、加入し、「店をまわし、プロとして対価が頂けるベーグルを焼く」などを身につけました。何と、思い立ってから2年で実際に店舗オープンされたのです。「子どもにとっては大事な時期だから、家庭の事も大切にしたい。でも、大人になっても好きなことは諦めんでいいとよ、やろうと思ったらやれるとよって、子どもに伝えたいんです。」という一言が印象的でした。

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いずれの皆さんにも、共通するキーワードがいくつもありました。

「決断すること・引き受けること・選びとること・次の一歩を踏み出すこと・勇気を持つこと・可視化すること・想像した夢を現実化するために行動すること」

そして、「そのための努力を厭わないこと」「この仕事の相手の幸せが何かを考え続け、生業として動かし続けるための忍耐力を持つこと」更に「対価を得るための仕組みを作ること」、「家庭での役割を明確化すること」などが実際に必要な事柄として浮き上がってきました。

「これから好きなことを仕事に出来るのか」「その仕事で食べていけるようになるのか」「人生のステージの中で、どの段階で決断できるのか」と模索中の受講生の方々もいらっしゃいましたが、スピーカーになっていただいた3名の方々のお話で、「背中を押された」「勇気をもらった」という声をいただきました。「自分の人生」を自分らしく、そしてより幸せに、充実して過ごすための1つの選択肢が「自分らしい起業」になれば・・・と思います。

スピーカーとしてご登場いただいた皆さま、貴重な体験談をありがとうございました。