出産する女性の社会的孤立を思う

過日のことです。早朝、日田市内の一戸建て住宅の玄関先に、生後間もない赤ちゃんがタオルに包まれた状態で置き去りにされていたという報道がありました。赤ちゃんの命に別状はなく、裸の状態で3枚のタオルに包まれていたということです。

全国各地での「乳児の置き去り」。駅やコンビニ、公園のトイレで産み落としたり、遺体を遺棄したり・・・様々な状況が各媒体で報道されています。が、隣町である日田市で行われたということが本当に衝撃でした。何となく「この田舎は関係無い」という意識の方々もおられたと思います。けれど、今回は車でほんの小一時間の距離の「隣町」での出来事なのです。

4月の早朝でまだ寒かったはずですが、赤ちゃんの命に別状が無いことが救いです。そして1人では生きられない小さな赤ん坊を置き去りにすることは、決して許されることではありませんが、タオルに包まれて民家の玄関先に置き去りにされていたことに、「どうか見つけて欲しい、生かして欲しい」という(身勝手ではあるのですが)親の情を感じたいと思う気持ちがあります。

さて、興味深いリポートがあります。熊本市・慈恵病院に設置されている「こうのとりのゆりかご」についての専門部会が3年ごと、累積の状況などについてまとめているものです。

直近の第4期検証報告書によると、H26年~H29年度の第4期3年間での受入れ件数26件でした。思いがけない妊娠の悩み等に対応する電話相談窓口への相談件数も年々増加していたり、また医療機関にかかっていない「孤立出産」の割合が高いことなどが見て取れます。預け入れの理由は生活困窮・未婚・パートナーの問題、更に母親のうつや強姦なども累積の理由の中には含まれます。出産する女性だけではなく、父親自身が、妊娠・出産・育児を自分の問題と認識することが出来るかどうかということも、非常に大きな課題として見受けられます。

また、報告の中で判明している分の母親の年齢構成から見ると、10代が10数パーセントでした。性交や望まぬ妊娠などについて学校での性教育が不十分では、ネットのアダルトサイトなどで誤った性知識を得ての「安直な性行為」「望まぬ妊娠」「性暴力」などが起こりうる可能性は高いままではないでしょうか。性交、妊娠の仕組みだけでなく、心と体の変化や避妊、性病、DV、性暴力、性の多様性、ジェンダーといったことから「相手との性的同意」「相手への思いやり」まで、一連の課題を網羅した「性の人権教育」が今の時代だからこそ必要ではないでしょうか。

いずれにしろ、妊娠・子育てについて課題を抱える方々に対して、更に周知が必要なことは明白です。「身近に相談できる相手や必要な窓口とのつながりを見つけることが出来たならば、別の選択肢とつながることができたのではないか、否、そうであってほしい・・・」と思います。そのために出来る努力が何か、男女共同参画の視点から、考察し続けたいと思います。

【参考】妊娠についての相談先となる県内機関・・・福岡県看護協会
※「子どもを生んでも育てられない状況のときは」というページもあります。