子どもへの性暴力について

「父親から娘への性暴力」についての報道が続いています。「抵抗が著しく困難だったとは言えない」等が判決理由となり、一般の市民感情とは程遠い「無罪判決」が続いているからこそトピックスにもなっているのだろうと思います。けれど、被害経験がある女性たちからは「力関係は対等ではない。家庭の中で支配され、心理的に追い詰められ続けてきた中で、怖くて抵抗など無理だ」というコメントも続いています。判決文などを見るにつけ、被害実態と司法の判断の間に、大きな乖離があるのだと思います。

また、悲しいことに、家庭内での性暴力のみならず、子どもたちが被害にあう性暴力犯罪があとをたちません。再犯であるということもたびたび報道されています。

そんな中、福岡県では子どもへの性犯罪を防ぐための条例、「福岡県における性暴力を根絶し、性被害から県民等を守るための条例」が制定されました。福岡県民が安心・安全に暮らすことの出来る地域社会の形成が目的とされています。

同様の都道府県条例の制定は2012年施行の大阪府に続く2カ所目です。届け出た元受刑者が相談できる窓口を新設し、再犯防止の指導プログラムや治療を受けるよう勧めることができます。また、治療費などは県が全額負担となっており、全国で最初に施行された大阪府では、子どもを性犯罪から守るための施策が次々とうたれています。

平成27年度の犯罪白書によると、再犯調査対象者について性犯罪者類型別で調べると、性犯罪再犯(刑法犯)の再犯率が最も高いのは小児わいせつ型で、その再犯の内容を性犯罪者類型に当てはめると9人のうち8人の再犯が小児わいせつ型に該当しています(グラフはこちら)。また、動機でいうと性的欲求充足・接触欲求充足が65.0%(有効回答に占める割合)、ストレス等の発散が38.7%、スリルが20.6%、支配欲求・優越欲求充足が6.7%となっていました。子どもの場合、行われていることが性暴力だとわからない年齢の場合もあり、思い通りにできやすい、欲求を満たしやすいという実態もあるのだろうと思います。

学童期から教育の中で取り上げて防御策を身につけさせること、出所者を社会・地域全体の中で孤立化させないことで、コントロールできるまでサポートすること・・・「再び犯罪を起こさせないこと」は、「子どもたちの未来を守ること」だと思います。今を生きる大人として子どもたちの安心安全な暮らしのサポートにどのように関わっていけばいいのか、今回の条例施行が、考えるきっかけになればと思います。