女性が地域で活躍するということは

「役や取り仕切りなど中心的な役割は男性が、細々とした雑用は女性が」という性に対する固定的な考え方は、私たちが意識せぬままに身近に潜み、親から子へ、そして地域の大人から地域の子ども達へと連鎖されがちです。これらの考え方は、個人の自由や可能性を狭めるだけでなく、人口が縮小していく地域社会の活動を停滞させる要因となったり、今後の社会に求められる「多様性」への弊害になり、男女問わず、この町で暮らしていく私たち自身の「生きづらさ」をにもつながるように感じています。

今回は、うきは市内で初の「女性自治協議会長」となった吉井自治協議会の樋口幸代さんにインタビューを行い、「女性が地域の中で活躍する」ということについて、お話をうかがいました。

令和2年、吉井自治協議会の会長に就任した樋口幸代さん。
この日は会議の間のお忙しい中、インタビューさせていただきました。

____________________

スタッフ
「樋口さんが女性で初めて自治協議会の会長に就任されたとうかがってから、是非、一度詳しくお話をうかがってみたいと思っていました。そもそも、なぜ地域活動をしようと思われたのか、そのきっかけは何だったのですか?」

樋口さん
「最初は、生協の地域の委員になったこと。当時はまだ子どもが小学生だったかな。義母が、元来外交的な人で、私が外に出るのも嫌がらずにいてくれたから、出来たのよ。例えば、生協で行われている生産地見学や講演会にも参加する事が出来たり、仲間と一緒に泊りがけで出かけたりしてね。そうしていくと、色々なことを学ぶでしょう。【世界を知って気づきを得る】というのかな。それから、PTA活動。子どもの課題は、母親の方が取り組んでいる家庭が多いんじゃないかな。」

「それと、男女共同参画について進んでいる国に研修に行ったのも大きいかな、と思いますね。私が「女性研修の翼」で視察に行ったノルウェーでは、1980年代にはもう政治にクォーター制度が導入されていた。仲間と共に、【男女共同参画が世界でどのように進んできたのか】を知ることが出来たの。今も田舎は【女が何をするものぞ】という空気があるけれど、世界を知らないだけなのだから、やっぱり学ぶことが大事。それと、【寝た子を起こすな】という言葉があるけれど、それは違うと思う。私はやっぱり学ぶことは大切だと思うのね。そこから気づきが生まれるから。そして、地域の活動に積極的に関わるようになり、自治協が始まる時に副会長に就任して6年、今年から会長になったという流れね。」

スタッフ
「実際に会長に就任されてから、活動の方はいかがですか?」

樋口さん
「今年は、コロナの影響でほとんどの事業を中止せざるを得なかったけれど、長年地域に関わってきて、アイデアがあたたまって今年からスタートしている事業もあるの。出来る分はしていきます。」

    • NPOを立ち上げ、高齢者向けに健康マージャンを実施。
    • 吉井自治協議会としてLINEをスタートした。
    • 気候変化に伴い、いつでも起こりうる災害に向け、防災学習会をコンスタントに実施。

スタッフ
「女性が地域で役職を担うという事について、初の女性会長としてどう思われますか?」

樋口さん
「女性の市議は1人だけ。それと自治協の委員・役員もまだまだ女性が少ないですね。区長だと2人だったかな。それでも、以前は0人だったから増えているのよね。活動の実態として女性がまわしている部分も多々あるのだから、私が会長になったようにもっと女性が役職についても良いと思う。それと、市の審議会や委員会にも、もっと女性を入れていくべきでしょうね。代表の選び方の問題だと思うけれど、現状はどうしてもあて職が多くて、年齢層が高くなる。年齢層が高ければ、やはり高齢者向き施策への関心が高くなるから。本来は内容次第で若い女性が入るべきものもあるのでね。今のうきは市の女性登用の現状は、うきは市民の気質もあるかもしれない。けれど、やっぱり女性の代表が出てこないと、女性や子ども関連の施策への提言はなかなか上がらないと思うんですよね。若い人達は、学んで、仲間を作って増やして、どんどん頑張ってほしいなと思います。」

____________________

樋口さんの言葉の端々から、「地域での活動は私たちの生活、そして子どもたちや、将来につながっていくもの。だから、女性にもっと社会や地域活動に目を向けてほしい。あとに続く人たちに頑張ってほしい。」というあつい思いが伝わってくるひと時でした。樋口さん、貴重なお話をありがとうございました。